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試験官がSpeakingで最も多く耳にする文法ミス(と、同じミスを繰り返してしまう理由)

目次

試験官がIELTS Speaking(スピーキング)で最も多く耳にする文法ミスは、珍しいものでも高度なものでもありません。小さなミスの繰り返しです。冠詞(a/the)の抜けや誤り、3人称単数の「-s」の落ち、話をしているうちにずれていく時制、よく使う動詞のあとの誤った前置詞、第2条件文(second conditional)と第3条件文(third conditional)の混同などです。痛手になるのはミスそのものではありません。ネイティブスピーカーを含め、誰でもうっかりミスはします。問題は、多くの受験者で同じミスがほぼすべての回答に現れることです。このパターンには名前があります。定着してしまったミス(fossilized error)、つまり繰り返しによって無意識に出るようになったミスです。話し手本人はもう気づかず、外からの助けなしには自分で直せません。

この記事のポイント

  • 定着してしまったミスとは、ほぼすべての回答に繰り返し現れるミスのことで、たまたま出るうっかりミスではありません。
  • バンド7のGrammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)では、ミスのない文が頻繁にあることが求められるため、定着したミスが1つあるだけで、構造的にバンド7に届かないことがあります。
  • 独学ではこうしたミスを見つけにくいものです。自分の話し方が無意識にしているパターンは、意識して聞き取れないからです。
  • 最も多いのは、冠詞、時制の一貫性、主語と動詞の一致、前置詞、条件文、可算名詞と不可算名詞です。
  • 短い自己診断の手順(録音、文字起こし、集計、1つのカテゴリーのドリル)は、一般的な文法の復習より速く、自分に固有のパターンを見つけます。

定着してしまったミスとは

定着してしまったミスとは、何度も繰り返されたために、自分で選んでいるのではなく、英語を自動的に作り出す仕組みの一部になってしまったミスのことです。この用語は第二言語習得の研究に由来しますが、IELTSで実際に使うための定義は単純です。3文目にも7文目にも15文目にも、トピックに関係なく、ほぼ同じ形で出てくるミスです。うっかりミスは、1回口にしても、文の途中で指摘されれば直せるものです。定着してしまったミスは、指摘されても同じように言ってしまうでしょう。その場では間違いだと感じられないからです。台本のない長めの回答、たとえばPart 2の1〜2分のスピーチで最もはっきり現れます。繰り返される文の数が増えるからです。

定着してしまったミスはなぜ生まれるのか?

直されなかった初期の習慣

定着してしまったミスの多くは、早い時期に始まります。たいていは、話す練習が限られていて、教師がすべての文を直す時間のなかった教室でのことです。何か月も何年も直されずに繰り返されたミスは、ミスだと感じられなくなります。

母語の影響

最もよくあるパターンの多くは、学習者の母語が同じ内容をどう扱うかに直接由来します。冠詞のない言語の話者は、英語で「a」が必要か、「the」が必要か、何も要らないのかを意識して判断しなければなりません。試験のプレッシャーのもとでは、意識的な判断が真っ先に抜け落ちます。

話し言葉の英語で本当のフィードバックを受けない

書いた文法は、エッセイや宿題で直されます。話した文法は、多くの学習者にとって、ほとんど直されません。会話はミスを指摘される前に先へ進んでしまうため、同じパターンが誰にも止められないまま、いつまでも繰り返されます。

定着したミスが文法のスコアに上限をつける理由

公開されているIELTS Speakingの評価基準(band descriptors)は、試験官が使う公式の文言で、4つの評価項目それぞれについて、各バンドの話し方がどう聞こえるかを述べています。そのうちGrammatical Range and Accuracyの評価基準は、バンド7を、さまざまな複雑な構造をある程度柔軟に使い、ミスのない文を頻繁に作れるものの、一部の文法ミスは残る状態だと説明しています。これに対してバンド6は、単純な形と複雑な形を混ぜて使い、複雑な形ではミスが多いものの、聞き手の理解がそれで妨げられることはまれな状態だと説明しています。

この2つの説明を並べて読むと、上限がはっきりします。バンド7の「frequently error-free」(ミスのない文が頻繁にある)は、ミスがときどきで、種類もさまざまな場合にだけ、正確な説明になります。定着したミスは、定義上、ほぼすべての回答に現れます。つまり、その周りの語彙がどれだけ洗練されていても、「frequently error-free」はその話し方には当てはまりません。考え方がしっかりしていて、語彙も豊富なのに、文法ではバンド6にとどまる受験者がいるのはこのためです。能力が全般的に足りないのではなく、繰り返される1つのパターンが足を引っ張っているのです。

独学でこうしたミスを見つけにくい理由

もどかしいところですが、聞こえないものは聞こえません。定着したミスは、それを口にしている本人には間違って聞こえません。だからこそ、定着するまで残ってきたのです。文法書を読んで「he goes」であって「he go」ではない、というルールを確認しても、時間に追われ、内容や語彙も同時に考えながら話しているその場で、自分のミスに気づけるようにはなかなかなりません。

実際に効果があるのは、1回きりの訂正ではなく、複数回のセッションにわたってパターンを追跡する仕組みと録音の組み合わせです。教師が「he go」を1回直してくれるレッスンは、次の授業までに忘れてしまいがちです。同じ訂正が、5つの別々のトピックの5本の録音で指摘されるのを見るほうが、はるかに無視しにくくなります。IELTS Mentor AIのようなアプリの考え方はまさにこれです。回答を録音し、1本ごとに単発で扱うのではなく、同じミスがセッションをまたいで繰り返されていないかを追跡します。

IELTS Speakingで多い文法ミス

冠詞:可算名詞のa/the

ロシア語、ウズベク語、中国語、日本語、韓国語などの話者に典型的な、定着してしまったミスです。これらの言語は冠詞を英語のようには使わないため、意識して練習しない限り、選び方が感覚として身につかないからです。

  • 誤り:「I have interview next week for job at bank.」
  • 正しい例:「I have an interview next week for a job at a bank.」

語りでの時制の一貫性

Part 2の回答は物語になることが多く、効果をねらって意図的に現在形へ切り替える場合を除き、物語では過去形を一貫して使う必要があります。

  • 誤り:「Last summer I go to my grandmother’s village and we spend two weeks there.」
  • 正しい例:「Last summer I went to my grandmother’s village and we spent two weeks there.」

3人称単数の-sと主語・動詞の一致

  • 誤り:「My sister work in a hospital and she help many patients every day.」
  • 正しい例:「My sister works in a hospital and she helps many patients every day.」

よく使う動詞のあとの前置詞

  • 誤り:「It depends of the weather.」/「We arrived to the airport early.」/「We discussed about the plan.」
  • 正しい例:「It depends on the weather.」/「We arrived at the airport early.」/「We discussed the plan」(ここでは前置詞は不要)

条件文:第2条件文と第3条件文

  • 誤り:「If I would have more time, I will travel more.」(2つの異なる条件文の形が混ざっている)
  • 正しい例(第2条件文、現在の事実に反する状況):「If I had more time, I would travel more.」
  • 正しい例(第3条件文、過去の事実に反する状況):「If I had had more time last year, I would have travelled more.」

可算名詞と不可算名詞

  • 誤り:「She gave me some advices about the furnitures I need for my new informations.」
  • 正しい例:「She gave me some advice about the furniture I need」と「I found some useful information.」

「very」や「good」の多用と、的確な語彙の不足

これは文法とは少し外れた話で、Grammatical Range and Accuracyではなく、Lexical Resource(語彙力)の問題です。それでもここで触れておく価値があるのは、上のようなミスと一緒に現れやすいからです。「very good」「very interesting」「very nice」を繰り返し、「impressive」「fascinating」「considerate」のような語を使わないと、文法が正確でも語彙のスコアに上限がつきます。この点も含めて、4つの評価項目すべてでバンド6とバンド7が実際にどう違うかは、別の記事で詳しく扱っています。

定着したミスを見つけて直す3ステップの手順

  1. 台本なしで3分間話して録音する。 練習用の質問に2〜3問、声に出して答え、途中で何も直さずに録音します。
  2. 粗くてもよいので文字起こしする。 言いたかったことではなく、実際に言ったことを書き出します。独学がつまずくのは多くの場合ここで、退屈な作業だからです。しかし文字起こしをすると、話している間は耳が見落としていたミスに気づかざるをえなくなります。
  3. ミスをカテゴリー別に集計し、最も多い1つだけをドリルする。 上で挙げた各タイプが何回出てくるかを数えます。回数が最も多いカテゴリーが、自分の定着したミスです。次に進む前に、それ1つを1週間集中して練習しましょう。5つのカテゴリーを同時に直そうとすると、ふつうはどれも直りません。

Speakingの文法は、高度な構造を知っているかどうかでは採点されません。普段の文が繰り返しに耐えられるかどうかで採点されます。自分の話し方に繰り返し現れる1つのパターンを見つけ、意識的にドリルすることは、一般的な文法の復習よりはるかに効果があります。スコアに上限をつけていたのは、ミスそのものではなく、その繰り返しだからです。

AIの即時フィードバックで練習

アプリで回答を録音すると、文法、語彙、流暢さ、発音を数秒で分析します。

有料アプリ:料金について · 請求と返金 · サポート

アプリの画面表示は英語です。このサイトでは、アプリについて日本語で説明しています。

よくある質問

IELTS Speakingで言う定着してしまったミスとは何ですか?

定着してしまったミスとは、繰り返すうちに無意識のうちに出るようになった文法ミスのことです。本人は気づかずに口にしてしまい、ルールを知っていても簡単には自分で直せません。ほぼすべての回答に繰り返し現れる点で、たまたま出るうっかりミスとは異なり、これがGrammatical Range and Accuracyのスコアを抑える原因になります。

自分の文法ミスが聞こえないのはなぜですか?

定着してしまったミスは、定義上、脳がもう間違いだと判断しないミスです。何度も繰り返してきたため、その場では自然で正しいものに感じられます。そのパターンに気づくには、たいてい自分の録音を聞く必要があり、できればミスに印をつけたものを聞くのが理想です。

IELTS Speakingで最も多い文法ミスは何ですか?

全員に等しく当てはまるミスが1つあるわけではありませんが、冠詞(a/the)、話を語るときの時制のぶれ、3人称単数の「-s」の抜けは、最もよく報告されるパターンに含まれます。母語の冠詞の使い方が英語と違う話者では、特に目立ちます。

文法ミスがあっても、Speakingでバンド7に届きますか?

はい。バンド7でも、ときどきミスが出ることは想定されています。バンド7のGrammatical Range and Accuracyの評価基準は、一部の文法ミスが残ることをはっきり認めています。バンド7を阻むのは、1つのミスがあまりに頻繁に出るため、「frequently error-free」(ミスのない文が頻繁にある)という表現が自分の話し方に当てはまらなくなることです。

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